2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

橘玲「(日本人)」(4)

橘氏のこの本をあちこちつまみ食いして論じているが、今回は(1)で論じた「グローバル」前半に続いて、第2部「グローバル」の真ん中にある「「正義」をめぐる哲学」と「アメリカニズムとは何か?」の2章をみていく。 まず、おそらく藤井直敬氏の「つなが…

[道草」谷沢永一「山本七平の智恵」

最近、山本七平氏の本を読み返しているが、それで本棚をみていたら奥からこの本がでてきた。1992年12月の出版だが、わたくしのもっているのは1993年の1月の第3刷である。今から約20年前の本。 谷沢氏というひとはわたくしには今一つよくわから…

山本七平の初期の陸軍もの〔「私の中の日本軍」(上下)、「ある異常体験者の偏見」、「一下級将校の見た帝国陸軍」〕

「ある異常体験者の偏見」は昭和48年から49年にかけて「文藝春秋」に連載されたものが昭和49年(1974年)5月に文藝春秋社から出版されている。 「私の中の日本軍」は「諸君」に連載されたものらしいが本書中にはいつからいつまでの連載という記載…

「大きな物語」の消滅

最近、勝手に「朝日新聞問題ウォッチャー」をしていたので、昨日の朝日新聞の会見はとても興味深かった。ちょっと「団交」というのを思い出した。 わたくしは戦後2年目に生まれで、中学に入ったときに60年安保、大学に入ったときに「1968年」があり、…

今日入手した本

証言その時々 (講談社学術文庫)作者: 大岡昇平出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 大岡氏が戦争に関して書いた文を集めた本(1987年刊)を文庫化したもの。 これを購入する気になったのは、最近…

論語と聖書

「論語」子路篇に以下のようなところがある。 葉公孔子に語げて曰く、「吾が党に直躬という者有り。其の父羊を攘みて子之を証せり」 孔子曰く、「吾が党の直き者は、是に異なり。父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。直きこと其の中に在り」と。(葉公が孔…

サマセット・モーム「女ごころ」

モームの中編小説。小説だけれども劇にも出来そうな感じ。モームは劇作もしていたのではないだろうか? いわゆる well made play である。小説だと、まさに通俗小説。でも小説というのはこういうものなのだろうと思う。そして、小説の世界をつくるためには階…

今日入手した本

女ごころ (ちくま文庫)作者: W・サマセットモーム,William Somerset Maugham,尾崎寔出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/08/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る たまには小説を読んでみようかなと思って。 最初の第1章を読んだだけだが…