2006-01-01から1年間の記事一覧

 E・M・フォースター「果てしなき旅」

岩波文庫 1995年 そのうちに面白くなるのかなあと思って読んでいったのだが、最後まで面白くならないで終ってしまった。その最大の原因は主人公のリッキーに魅力がないことであろう。作者がリッキーを突き放すことができなくて、うまく距離がとれていな…

今日買った本

小松秀樹 「医療崩壊 「立ち去り型サボタージュ」とは何か」 朝日新聞社 2006年5月

今日買った本

集英社ギャラリー[世界の文学]5 イギリスⅣ 1990年 橋本治「ああでもなく こうでもなく 5 このストレスな社会!」マドラ出版 2006年12月 橋本治「BA‐BAHその他」 筑摩書房 2006年12月

ヴォルテール「カンディードまたは最善説」

岩波文庫 2005年2月 ウォーの「大転落」がその構想を「カンディード」に負うという話を読んで、読んでみる気になった。なかなか面白かった。 このような本を読んで感じるのは、リアリズムなどいう要請がなかった時代の著者は自由に物語が書けたであろう…

今日買った本

ディドロ「ダランベールの夢」 岩波文庫 1958年

E・ウォー「大転落」 

岩波文庫 1991年 「ブライズヘッドふたたび」を読んで大変面白かったので、ウォーの小説処女作である本書も読んでみることにした。 なんとも人を喰った話である。題名通り主人公が転落していく話なのであるが、巻き込まれ型とでもいうのだろうか、主人公…

今日買った本

ディドロ「運命論者ジャックとその主人」 白水社 2006年12月

今日買った本

「林達夫評論集」 岩波文庫 1982年 ビューヒナー「ヴォイツェク ダントンの死 レンツ」 岩波文庫 2006年10月 ディドロ「絵画について」 岩波文庫 2005年12月 「マッハ力学史」上下 ちくま学芸文庫 2006年12月

今日買った本

「世界の文学 15 ウォー ウイルソン」(集英社 1977年) 古書

E・ウォー「ブライヅヘッドふたたび」

ちくま文庫 1990年7月 わたくしは吉田健一信者なので、吉田氏愛読の「ブライヅヘッドふたたび」には何回か挑戦したのだが、そのたびに最初の数十ページで挫折していた。このたびようやく読み通すことができた。ウォーの小説は同じく吉田氏訳の「黒いい…

 M・ドラブル「碾臼」

河出文庫 1980年10月 これを読んだのは「イギリス的人生」で、小野寺健氏が激賞していたからなのだが、小野寺氏がいうほど優れた小説とは思えなかった。 びっくりしたのはこの1965年に出版された小説があまりに真っ当な手法で書かれている点である…

今日買った本

「谷川俊太郎の33の質問」 ちくま文庫 1996年3月 「イギリス名詩選」 岩波文庫 1986年3月 「須賀敦子全集 第2巻」 河出文庫 2006年12月 J・S・ミル「自由論」 光文社古典新訳文庫 2006年12月 P・G・ウッドハウス 「サンキュー…

今日買った本

浅羽通明「右翼と左翼」 幻冬舎新書 2006年11月

[読書備忘録」町田康「真実真正日記」

講談社 2006年10月31日初版 町田氏もこんな本を書いていてはいけないと思う。 小説家がとんでもない出鱈目な小説をかきながらバンドをやっている話がだらだらと書かれているだけである。ほとんど町田氏の知っている世界のみが書かれている。昔の私小…

R・ヒューズ「ジャマイカの烈風」

晶文社 1977年 この小説はだいぶ前に買ってあったのだが、例によって読まずに抛ってあった。今度読んで見る気になったのは小野寺健氏が「イギリス的人生」で(あるいは「E・M・フォースターの姿勢」かもしれない)言及していたので、思い出したのだっ…

G・オーウェル「カタロニア讃歌」

岩波文庫 1992年5月 これを読んでみようと思ったのは、小野寺健氏の「イギリス的人生」(ちくま文庫 2006年)の中の「ジョージ・オーウェル讃」を読んだことによる。それであわせて「オーウェル評論集」(岩波文庫 1982年)もぱらぱらと読んで…

今日買った本

J・オーウェル「一杯のおいしい紅茶」 朔北社 1995年 H・ミラー「北回帰線」 新潮文庫 1969年

絓秀実「1968年」 

ちくま新書 2006年10月10日初版 著者は1949年生まれとあるから、わたくしより2歳年下ということになる。背表紙にある著者の写真はドテラをきてタバコをふかした狷介なおじさんという感じであるし、紹介には元「日本読書新聞」編集長とある。こ…

内田樹 平川克美「東京ファイティングキッズ・リターン 悪い兄たちが帰ってきた」

basilico 2006年11月17日初版 内田樹氏と内田氏の友人で中小企業社長?(でありかつ全共闘運動時代の同志?)である平川克美氏がインターネット上でとりかわした往復メールを収めたものである(一部、直接の対談をふくむ)。 こういうものが出版され…

N・ハンフりー「赤を見る 感覚の進化と意識の存在理由」

紀伊国屋書店 2006年11月5日初版 赤い色が投影されたスクリーンを見る。そこに赤い色があることを知る。同時に赤という色を感じている。この「知ること」と「感じること」について論じた本である。 われわれが生きていくだけならば「知ること」だけで…

S・フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」

中央公論社 2006年11月10日初版 わたくしはあまり忍耐心があるほうではないので、小説の書き出しで乗れないとそのまま抛りだしてしまうことが多い。この「グレート・ギャツビー」もそうで、だいぶ前に二度ほどトライしては挫折していた。今回も最初…

今日買った本

M・カーランスキー「1968 世界が揺れた年」 ソニーマガジンズ2006年3月

石川好 「60年代って何?」

岩波書店 2006年11月7日 初版 1960年代にアメリカを席捲したスチューデント・パワーの運動は第2のフランス革命であったという主張の本である。フランス革命は政体を変えたという意味で革命であったのではなく、それなしではそれ以降の近代市民社…

今日買った本

小熊英二「単一民族神話の起源 <日本人>の自画像の系譜」 新曜社 1955年7月 A・ゴードン「日本の200年 徳川時代から現代まで」上下 みすず書房 2006年10月 内田樹 平川克美「東京ファイティングキッズ・リターン 悪い兄が帰ってきた」 basi…

今日買った本

町田康「真実真正日記」 講談社 2006年10月 高坂正堯「宰相 吉田茂」 中公クラシックス2006年11月 絓秀実「1968年」 ちくま新書 2006年10月 S・フッツジェラルド「グレート・ギャツビー」中央公論社 2006年11月

今日買った本

N・ハンフりー「赤を見る」 紀伊国屋書店 2006年11月

 28 補遺・その2 ロレンス「チャタレイ夫人の恋人」

わたくしはある時期福田恆存の信者であり、福田氏が担いだ神輿がD・H・ロレンスであったので、ロレンスの作品については何度も挑戦はしたのだけれども、「無意識の幻想」とか「黙示録論」といった小説以外のものは読めたが、「息子と恋人」にしても「虹」…

 27 補遺・その1 庄司薫「狼なんかこわくない」

中公文庫 1973年文庫初版 2006年10月改版 1971年単行本初版 わたくしは赤・黒・白・青の薫ちゃん4部作は刊行当時にリアルタイムに読んでいるが、庄司氏のエッセイは「バクの飼主をめざして」を2000年ごろ読んだだけで、この「狼なんかこ…

今日買った本

庄司薫「狼なんかこわくない」 中公文庫 1973年 改版2006年10月

 26 総括(^^)

小阪修平氏の「思想としての全共闘世代」を長々と論じてきた。そろそろ中仕切りとしたい。この間、小阪氏には失礼な言を多々弄してきたことをお詫びしたい。そしてもまたこういう言い方もまた小阪氏には失礼になることは重々承知しているが、小阪氏よりはる…