2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

昔 進歩的文化人という人達がいた(4)

稲垣武さんに「「悪魔祓い」の戦後史」という本がある。ここでの悪魔とは進歩的文化人(あるいは進歩思想)のことだから、かなりえげつないタイトル。(文春文庫 1997年8月) 92年に書かれたものに加筆したものらしいが、いわゆる進歩的文化人につい…

昔 進歩的文化人という人達がいた(3)

竹内靖雄氏に「経済思想の巨人たち」という本がある(新潮選書 1997)。 その中にはもちろんカール・マルクスも入っているわけだが、竹内氏は「マルクスが露骨に暴力革命を鼓吹したふしはない」として、マルクスは《「科学的世界観」を確立した「予言者…

昔 進歩的文化人という人達がいた(2)

わたくしは「進歩的文化人」というのは全てのことに対策があると思っている人たちだと思っている。 誰だったか、「進歩的文化人」というのは、対策をたてれば人間は死ななくなると思っているのではないかと揶揄していた。 人間もまた動物の一種であるはずだ…

昔 進歩的文化人という人達がいた

といっても、今でもいるのだろうと思うが以前ほどの勢いはないように思う。 しかし、わたくしの若いころには大した勢いで、わたくしなど「お前のようなやつは、俺たちが天下をとったら縛り首だ」などと言われたものである。(←これは全共闘運動が華やかだっ…

30万アクセス

今みたら、現在の総アクセス数が299989となっていた。一日の平均アクセス数が100~150位だから、本日中に30万を越えるのではないかと思う。 ブログを始めたのは野口悠紀雄氏の「ホームページにオフィスを作る」(2001年 光文社新書)にそ…

昭和22年生まれ

わたくしは昭和22年1月23日の生まれである。 年表(昭和・平成史 新版 岩波書店)を見ると、生まれてすぐの1月28日に「吉田内閣打倒・危機突破国民大会というのが宮城前広場で開かれて30万人が参加とあり、1月31日にはマッカーサー元帥が2.1…

中国  その3

ひどい話だと思うけれど、わたくしが思い浮かべる中国というと、どこかの山奥で白い長い髭を伸ばした老人が杖をついて月を見上げているというような光景であり、また李白や杜甫の詩である。政治から逃げた世界というか、現実から逃避した世界というか・・。…

中国 その2

なにしろ中国は大きな国である。日本の何倍あるのだろう? 狭い日本でさえ、北海道と九州、東北と四国、東京と京都では随分と違うだろう。 幕末、薩摩の武士と京都のお公家さんの間では全く言葉が通じず、漢文で話しあったという。そうであるなら広大な中国…

中国

最近、中国の政治経済がいろいろな面で行き詰まって来ているとする報道が多い。政治経済の方面についてはまったく知識を欠くわたくしとしては、その報道が意味するところの正否を判断することは出来ないが、わたくしが抱く疑問は、例えば中国共産党の様々な…

 山本武利 「朝日新聞の中国侵略」 文藝春秋社 2011年

何だかどぎついタイトルであるが、朝日新聞社が中国を侵略したということではない。内扉の文をそのまま引用すれば、「昭和十四年元旦、日本人居留民が激増する中国の上海に日本語新聞が創刊された。その名は「大陸新報」。題字は朝日の緒方竹虎が筆を執り、…

中野五郎「祖国に還える」復刻版 DIRECT社 2023 1 25 刊

昭和18年2月に刊行された本の復刻版である。著者は朝日新聞の記者で、大東亜戦争(と敢えて表示)開戦時アメリカにいて、アメリカで拘束されキャンプに抑留される。報道を担当するものは外交官などに準じる一種の特権を与えられるらしく、拘留といっても…

ミラン・クンデラ

チェコの小説家のクンデラが亡くなったらしい。今年7月のことらしいが、今日まで知らなかった。小説の「冗談」とか「存在の耐えられない軽さ」が有名だと思うが、読んでいない。(「存在・・」は読みだしたが中断のまま) ということでわたくしにとっては専…

ソナタ形式

昨日の稿に関して「三部形式 A―B―Aという形式は、ソナタ形式から派生したものだろうか?」という質問を寺尾さんから頂いた。わたくしは単なる一音楽好きにすぎないので、以下に書く事は全くの素人の見解としてお読みいただければと思う。 ちょうちょう ちょ…

西洋音楽の構造(1)

最近、岡田暁生氏と片山杜秀氏の本「ごまかさないクラシック音楽」について少し論じたが、不思議なことにこの本ではソナタ形式とか、曲としてのソナタというものがあまり論じられてはいなかった。 もうすでに論じつくされているということなのかもしれない。…