昔 進歩的文化人という人達がいた

 といっても、今でもいるのだろうと思うが以前ほどの勢いはないように思う。
 しかし、わたくしの若いころには大した勢いで、わたくしなど「お前のようなやつは、俺たちが天下をとったら縛り首だ」などと言われたものである。(←これは全共闘運動が華やかだったころの話。わたくしは別に右派というわけではなく、気の弱いノンポリに過ぎなかったと思うのだが、とにかく彼らから見ると自分達より右側にいる人間はすべて敵側ということになるらしかった。)

 そのころ、「三派」というのがあって、調べると《ブント解体の1961年以降,全学連中央執行部は革共同の学生組織マル学同(日本マルクス主義学生同盟)が握るが,63年4月,革命党の建設優先を主張する革マル派と,大衆闘争重視の中核派革共同が分裂,64年末まで革マル派全学連を握った・・》などと書いてある。しかしわたくしには、ちんぷんかんぷんである。

 その人たちから見ると、日本共産党などはほとんどプチブル政党のように見えたらしいのだが、そういう元気で?過激な?ひとたちが表舞台からは消えた今、進歩的文化人というのは、日本共産党立憲民主党を支持する人達の一部あたりを指すようになってきているのかもしれない。

 要するに日本の現状を肯定しない、それにノンをつきつけるという立場を進歩派というらしいが、それでも「自民党など生ぬるい、もっと尊王の旗を高く掲げよ」という人(近々そういう旗じるしのひとが政党を立ち上げるらしい)は進歩派とは言われない。反対する人たちからは退歩派といわれるだろうが、それでも自身は正統派と思っているのかもしれない。

 問題は彼らが(右も左も)実際には政権を担う展望がまったく見えないことで、とすればひたすら現政権にけちをつけるだけの存在になってしまう。

 政治にはほとんどの人があまり関心を持たないというのが望ましい状況であるとわたくしは思っているので、現状は決して悪いものではないと考えている。

 鼓腹撃壌というのが善政が行われている証拠であるとするならば、現状は可もなく不可もない状況なのではないだろうか?

 進歩派といわれる人たちは絶対に鼓腹撃壌しない人たちである。