2003-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 佐々木千賀子 「立花隆秘書日記」

ポプラ社 2003年3月 初版 一時期、立花隆の秘書をしていた女性が書いた立花隆観察記。オウム真理教のこととか田中角栄のこととかが書かれているが、一番の眼目は、立花隆が変な人であるということである。 要するに立花隆は<理解したい人>であって、…

 岩井克人「二十一世紀の資本主義論」

筑摩書房 2000年3月3日初版 アダム・スミスは投機の問題については考えなかった。投機とはケインズがいうところの美人投票であるがゆえに、不安定性を避けられない。 マクロ経済学とは「みえざる手」が働かない世界に関する経済学のことをいう。貨幣経…

 福田和也 「第二次世界大戦とは何だったのか? 戦争の世紀とその指導者たち」

筑摩書房 2003年3月25日初版 フランス革命以来のヨーロッパ近代史は第一次世界大戦で完全に切断された。それにくらべれば第二次世界大戦のもつ意味は小さい。日本はほぼ第一次世界大戦に参加しなかった。そのことが日本に決定的な影響をあたえた。日…

 養老孟司「バカの壁」

新潮新書 2003年4月10日初版 「バカの壁」とは、「結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない」ということなのだそうである。 常識とは雑学のことではない。常識とは「誰がかんがえてもそうでしょ」「人間なら普通こうでしょ」ということを…

 嵐山光三郎「死ぬための教養」

新潮新書 2003年4月10日初版 来世などあるはずないのだから、いまの時代に求めらるのは、自分が死んでいく覚悟と認識であるというわけで、そのために嵐山氏が読んだ本をあげ、感想を記したもの。結構わたくしが読んだことのある本も多く(「笑いと治…

 村上龍「会社人間の死と再生 ダメな会社と心中しないための戦略とは?」

扶桑社 2003年2月10日初版 村上龍の名前になっているが、さまざまな職種の普通の働くひととの対談集。 銀行・ゼネコン・商社・外資系の会社・旅行会社・特殊法人・地方公務員・地方企業・派遣社員・フリーター・脱サラ起業者・倒産経験者などとの対談…

 山口宏「離婚の作法 終りなき男と女の紛争劇」 

PHP新書 2003年3月28日 初版 弁護士が書いた離婚についての本。離婚についての紛争に弁護士としてつきあってきて、馬鹿馬鹿しくてやっていられない!、一体日本はどうなっているのだ!という憤懣と憂国の書。 男は男女関係は「文明の所産」である…

 スティーヴン・キング「ドリームキャッチャー」

新潮文庫 2003年3月1日出版 なんだかキングも衰えたなあという感じがする。傑作「アトランティスのハート」の次に発表された長編小説であるが、その間に九死に一生を得るような交通事故にあっている。その経験は主人公の一人の設定にも反映しているが…