2004-01-01から1年間の記事一覧
[日本評論社 からだの科学選書 1982年4月20日初版] 1982年に出版された本。今から22年前、わたくしが35歳ごろである。精神科というよりもほとんど分裂病(統合失調症)の治療を論じた本であるが、ひろく臨床一般に通じる本である。刊行当時は…
[中公新書 2004年5月25日] 若い(35歳くらい?)精神科のお医者さんの書いた本。計見氏と異なり全然偉そうでない。非常にナイーブな感じであり、それが弱点かもしれない。真面目過ぎる、あるいは真剣すぎる気がする。一番の問題点は、精神科医療を…
[講談社・選書・メチエ 2004年12月10日初版] なんとなく今一つ感じのよくない本である。著者は不機嫌であるし、偉そうである。それは例えばタイトルに現れている。いまどき精神分裂病なんて言葉をタイトルに入れるところが、すでに世の流れに反抗的…
[産業図書 1995年4月13日初版] 新宿の三越の上にジュンク堂書店ができたのでいってみたら、その一角に養老孟司書店というのができていて、この本がおいてあった。最近認知科学にいささか興味をもったので買ってきた。大変面白かった。今から10年近…
[哲学書房 2004年10月15日初版] この本は実は読了していない。はじめの100ページくらいを読んだあとは、ぱらぱらと拾い読みをしただけである。どうにも、読み続けられない。きちんと読んでいない本について、感想を書くということは、本来であれ…
[新潮文庫 1987年 原著1984年初版] [集英社 2004年11月30日 初版] この二つの短編集を較べてみようというのである。 村上のこの短編集を読んでみたのは、一つには、「男流文学論」で、「蛍」が「ノルウェイの森」の元短編として、この短編で…
[平凡社新書2004年11月10日初版] 本書を読んで、本を読むこと、それについて書くことなどについていろいろと考えることろがあった。たとえば、わたくしがいくつかの本を読んで、その感想をこう形でインターネット上にアップしている、そういうこと…
[集英社新書 2004年11月22日初版] 僕の叔父さんというのは比喩ではない。中沢氏の父の妹と網野氏が夫婦であったということであり、網野氏と中沢氏は血縁として親交があり、相互に影響を与え合った間柄であったことが書かれている。実際に網野氏の「…
[新潮社 1970年9月30日 初版] 久しぶりに読み返してみて、本というのはこういう風でなければいけないと思った。何か考えてみたいことがあり、それについて、ある長さの文章を書くことで、自分が考えてみたかったことの輪郭が、はじめてはっきりとした…
[医学書院 2004年10月1日初版] 「ケアをひらく」という、主として看護師を対象としたシリーズの一冊、ではあるが看護とか介護とかに直接言及した部分はないので、ケアという問題に関心があって本書を手にしたひとは呆然とするであろう。本書は内田が…
[海鳥社 2004年10月20日初版] 難しい本である。ラカンやレヴィナスの本がなぜ難しいのか? それは簡単にはわからないように書くことによって、読者にあなたは何をいいたいのかという問いを励起させることをめざしているのだと内田はいう。それならば…
築地書館 1982年8月20日初版 養老孟司の本を読んでいると時々三木成夫の名前がでてくる。たとえば、「脳が読む」「考える人2003年春号」など。なんとなく気になっていたところ、偶然、丸善本店で見つけた。. 大変な本であるが、ここからすぐに連…
ちくま文庫 1997年9月24日初版 原著は1992年1月初版 いやーあ、面白かった。もっと早く読むのだった。風評では、フェミニズムの論客3人が、男性作家をあたるを幸いなぎ倒す。後には死屍累々。というような話だったので、怖い、怖い、近づくのは…
ちくま新書 2001年1月20日初版 最近歴史関係の本を少し読んでいるのは本書の影響もある。バカは歴史を中心に読書をすべきというのが本書の主張である。 ところでここでバカとは、哲学とか数学とか抽象的なことが苦手というひとのことなのだそうである…
新潮社 2004年10月25日 初版 その最終章「弥生的ではないもの」のみ。 日本の美術をつらぬくものは、弥生的なものである。弥生的なものとは、うっとうしくないもの、優美なもの、ごつごつしていないものである。縄文的なものはついに日本の主流とは…
講談社現代選書 2002年5月20日初版 ユダヤ・キリスト教的な全能の神が存在すると仮定する。その神のおこないは人間の理解を超えているはずである。そうであるなら、神というものについて、人間があれこれと考えて議論することに何か意味があるだろう…
講談社現代新書 2004年10月20日初版 非完全版?の初版は1989年11月 わたしが通った中学高校は変わった学校で、漢文の時間が無闇と多かった。おそらく修身の時間の代用のつもりであったのだろう。子曰く朋あり遠方より来るまた楽しからずや・・…
白水社 1996年6月25日初版 註:今回、読んだのは新装復刊本であり、改定前の版の初版は後書きからみて、1981年らしい。 昔、コーラスをやっていたので、ミサとかレクイエムの類はずいぶんと歌った。それで、ミサの「Credo 」の「Credo in unum De…
講談社 選書メチエ 2004年10月10日初版 グノーシスという名前についてはユングにかんする本で耳にしたことはあったし、前から興味があったのだが、ロバーツの「世界の歴史」でのキリスト教の歴史の部分を読んで(あるいは「ダヴィンチ・コード」を読…
文春新書 2001年9月20日初版 この本は、小谷野敦氏の何かの本で紹介されていて読む気になったのだが、小谷野氏のどの本だかはわからなくなってしまった。 長谷川氏は保守派の論客ということらしいのだが、長谷川氏のものの見方考え方については、小谷…
創元社 2002年12月〜2003年7月初版 最近、歴史の知識の不足を痛感することが多く、この図版の多い本を読んでみた。正式には図説「世界の歴史」である。そのきれいな図版をみているだけでも楽しい。 全10巻からなる世界の歴史の通史である。8〜…
[中公新書 2001年5月15日初版] 小谷野敦の「すばらしき愚民社会」で紹介されていた本。 イギリスは上流社会と労働者階級の間にミドル・クラスがあるが、それは、アッパー・ミドル・クラスとロウワー・ミドル・クラスにわかれ、前者は上流階級に近いが…
とんでもない論である。作家を東大出かどうかで分類する日本文学史などというものがかつてあっただろうか? 芥川龍之介も森鴎外も夏目漱石も谷崎潤一郎もみな東大出である。これらは日本文学史の異端である。だがこういう作家だけが東大出ではない。なんでも…
日本では政治に関心がないというのは、自分は政治家になる気がないということである。田舎のお祭り騒ぎから無関係でいたいということでもある。 議論というのは立場の違いを前提にする。 自民党の前提は、全体の調和を乱さないように、という村の論理である…
右翼とは反動である。左翼の思想がまず先にでて、その後で右翼の思想がでる。 ソヴィエト崩壊時のソヴィエト共産党の行動は「反動」であった。民主化運動が左で、ソヴィエト共産党が右であった。 平面上で位置を決定するには、縦軸と横軸の二つの座標軸が必…
[マドラ出版 1995年3月25日 初版] その1 「なぜ「結婚」したの?」 先日開店したばかりの東京駅の丸善本店で偶然みつけたもの。現在、絶版であるらしい。再販制度外というか買取で返品しない本らしいから、売れずに残っていたのであろう。 最初の浮…
[文藝春秋社 2004年8月30日 初版] どこかで小谷野敦が、佐藤愛子の啖呵を賛嘆していた。佐藤がすぐ人に同情し、結果裏切られてきたのに、また同じことを繰り返しそうになっているのをみて、誰かがいいかげん勉強したらというようなことをいったのに対…
[講談社文庫 2000年11月15日初版 単行本1997年11月初版] 以前、単行本でもっていたのだが、どこかになくしてしまったので、あらためて文庫本を買いなおした。それについている赤瀬川原平の解説が秀逸。 赤瀬川によれば、アヴァンギャルド、す…
[講談社 2004年9月7日 初版] よくわからない。これが村上春樹作ではなく、無名の作家の作であれば、出版されただろうか? 長編小説の発端だけ読まされて投げ出されたような印象である。 その書き出し。 「目にしているのは都市の姿だ。 空を高く飛ぶ夜…
[新潮社 2004年8月15日初版] 雑誌「考える人」に連載していた「大衆社会を裏返す」に加筆し、改題したもの。 とんでもないタイトルであるけれども小谷野さんというのはいい人なのだろうなあと思う。政治ができそうもないひとである。自分は若いころは…