2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

清水幾太郎「倫理学ノート」(終)第11章「アトムについて」第19章「ハロッドの不安」「余白」

今回が最終であるが、ここでもう一度本書の構成をふりかえってみる。 第一章はムアの「倫理学原理」からはじまる。ムアはブルームズベリー・グループをあらわし、その一員であるケインズが主役の一人となる。ここでは端役であるが、ムアとD・H・ロレンスの…

今日入手した本

戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書)作者: 猪木武徳出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/05/01メディア: 新書購入: 14人 クリック: 159回この商品を含むブログ (81件) を見る 書店で偶然目にした本。ぱらぱらとみただけだが、随分と真っ…

佐々木俊尚「2011年 新聞・テレビ消滅」

文春新書 2009年7月 内田樹さんのブログで紹介されていた。 こういうタイトルであるが、主眼は情報を伝達するための手段がこれから変わっていくだろうという話である。広告もまた情報であるから広告の話も大きな比重をしめることになる。広告の媒体がか…

今日入手した本

ハンナ・アレントの政治理論 (アレント論集 I) (アレント論集 1)作者: 川崎修出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/01/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 38回この商品を含むブログ (13件) を見る なんとなくアレントのことは以前から気になっていて…

高田里恵子「文系知識人の受難」in 「日本思想という病」

2010年1月 光文社 この本は偶然書店で見つけたものだが、高田里恵子さんの名前があったので買ってきた。 芹沢一也さんと荻上チキさんというひとがやっているシノドスという何なのだろう、一種の思想運動体?が主催しておこなっているセミナーの記録らし…

ダフ・クーパー「タレイラン評伝」

中公文庫 1979年 開高健・谷沢永一・向井敏の鼎談「書斎のポ・ト・フ」の中の「文学のなかの政治的人間」を論じた「手袋の裏もまた手袋」で紹介されている6冊のうち、フランス革命に関係するものは3冊であるが、ツヴァイクの「ジョゼフ・フーシュ」と…

清水幾太郎「倫理学ノート」 第15章〜第18章(ヴィーコ)

岩波書店 1972年 最初に書いたように本書を読み返してみるきっかけとなったのは上村忠男氏の「ヴィーコ」に本書が言及されていたからなのだが、ヴィーコの名前は本書ではこの第15章になって唐突にでてくる。アンチ・デカルトとしてのヴィーコである。…

今日入手した本

代替医療のトリック作者: サイモンシン,エツァートエルンスト,Simon Singh,Edzard Ernst,青木薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/01メディア: 単行本購入: 38人 クリック: 1,000回この商品を含むブログ (116件) を見る 新聞で紹介されていた。著者のシン…

清水幾太郎「倫理学ノート」 第12章〜第14章(ヴィトゲンシュタイン)

岩波書店 1972年 哲学音痴かつポパー信者できたため、ポパーのいうがままにヴィトゲンシュタインは敬して遠ざけてきた。それでも「論理哲学論考」(以下「論考」)は読んだ記憶があるが、何だかスピノザの「エチカ」を想起させるような書き方以外には、…

今日入手した本

「健康格差社会」を生き抜く (朝日新書)作者: 近藤克則出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/01/13メディア: 新書購入: 5人 クリック: 33回この商品を含むブログ (20件) を見る 生物医学モデルと生物心理社会モデルの対立の話である。前者が理科、後者…

今日入手した本

日本思想という病(SYNODOS READINGS)作者: 芹沢一也,荻上チキ,中島岳志,片山杜秀,高田里惠子,植村和秀,田中秀臣出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/01/19メディア: 新書購入: 14人 クリック: 314回この商品を含むブログ (49件) を見る 高田里恵子さんの「…

栗本薫「ぼくらの時代」

講談社文庫 2007年 最近はそういうことはしなくなったが、以前は年末にその年に評判になったミステリを何冊か読んでいたことがあった。その時に感じたのは海外のミステリと日本のミステリのレベルの違いということだった。海外のミステリが大人の読み物…

今日入手した本

新装版 ぼくらの時代 (講談社文庫)作者: 栗本薫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/14メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (15件) を見る 中島梓さんの評論などはたくさん読んだが小説は一つも読んでいない。それでこれがたま…