Robert Arthur"The Three Investigators The Secret of Skelton Island"
[Random House 1966 ]
向山淳子「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」巻末の推薦図書の一冊。
むこうの小学校高学年あたりを対象にした子供むけミステリ。英語の勉強として読んだのだが、とてもよくできた少年探偵ものである。大人向けのミステリも書いているひとが手をぬかずに、こどもむけに書いたものらしい。海賊の残した財宝といった材料では大人むけのミステリは書けない。
逆にそういう設定を利用して、ミステリの骨格そのもので物語ができている。こういう設定は信じられないなどといううるさい読者がいないだけ、かえって作者の筆が自由になるのかもしれない。
日本では、こういう分野はどうなっているのだろう? あまり有名な作品の話はきかない。乱歩の少年探偵団くらい? 今はテレビゲームがこういう物語の代用をしているのだろうか? でもテレビ・ゲームでは「冒険」はあっても「勇気」とか「智慧」とかいったものはあつかえないような気がする。
これは相当古い作品らしい。子供が大人に"Sir !"などという世界はさすがにもうなくなっているのだろう。
2005年1月8日追記:
Sir ! は単に先生というだけの意味で尊称というニュアンスはないのかもしれない。
(2006年3月11日 ホームページhttp://members.jcom.home.ne.jp/j-miyaza/より移植)