向山淳子+向山貴彦「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」

 [冬幻社 2001年12月20日初版]


 わたしはいったいこの手の本を何冊読んだら気がすむのだろう。著者もいうとおり「地道な方法以外に言語を覚える方法はない」のだから、ただ解説を読んでも語学ができるようになるわけはないのに。
 著者によれば、上達するために必要なのは、とにかく沢山の英語を読むことなのだという。音読しろというひともあった。たくさん聴けというひともあった。それぞれ一理あって、それを地道に続ければいいのだろう。難しいのはとにかく続けることなのだ。

 養老孟司高島俊男説によれば、日本語は著しく文字に偏した言語であり、日本人はそれによって生きている。だから、アメリカ人がDOGといってただDOGの音を言っているときに、日本人はDOGという音とDOGという綴りを両方頭に思いうかべなくては、しゃべれないのかもしれず、それで語学の習得が苦手なのかもしれない。すくなくともわたしはただ音と意味だけしかわかっていない語は不安でしかたがない。綴りを知るまではその語を知った気がしない。

 そういう点では、とにかく読むというのは、われわれに向いた語学習得法なのかもしれない。


(2006年3月11日 ホームページhttp://members.jcom.home.ne.jp/j-miyaza/より移植)

  • わたくしの英語コンプレックスは一生治りそうもない。わたくしの学んだ中学高校では英語は読めればいい。話せなくてもいいといっていた。まあ実際に話す必要はほとんどないのであるが、映画を字幕なしで理解し、CNNのニュースなどがすんなりと理解できるレベルにはなっておくべきであった。これとピアノを習わなかったのが一生の後悔。 (2006年3月11日付記)


ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本