今日入手した本

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

 どうせ買うだろうと思って買ってしまった。いま100ページちょっとで約三分の一のところだが、まだ話が動き出さない。もしも、無名の新人がこの原稿を出版社に持ち込んだら、編集者の朱がたくさん入るのではないかと思う。前の「1Q84」book3の時も、十分な推敲をしないままで本にしてしまったのではないかと思ったが、本書も同様の印象である。誰でもそうだろうが、すぐにP・オースターの「幽霊たち」を想起してしまう。もっとも出版社からは「畏れ多くもかしこくも、玉稿を拝受し」というような扱いだろうから、誰も何もいえないのだろうが・・。
 出版当日に買ったのに、すでに2刷である。村上春樹が書いたのでなければ、とてもベストセラーになるとは思えない小粒な作というのが、三分の一読んだ時点での印象。