2021-01-01から1年間の記事一覧

与那覇潤「繰り返されたルネサンス期の狂乱」(「Voice」令和3年2月号」

与那覇潤さんが、雑誌「Voice」2月号に、「繰り返されたルネサンス期の狂乱」という稿を寄せている。 氏はいう。2020年最大のテーマは「知性の敗北」であった。私たちがこの知の惨状を乗り越えるために必要なのは、無責任な「未来図のプレゼン」と…

身内と余所者

今のアメリカの騒擾を見ていると、わたくしのような団塊の世代には既視感があって、どうしても60年安保のことを思い出してしまう。その時にも、全学連を中心とした人たちは国会敷地内に入り込んだはずである(議事堂内にははいらなかった。入れなかった?…

アメリカ南部

現在、入院中なので、普段と違い、蔵書などを参照できない環境で書いている。それで、持ち込んだ本を読むしかない状況で、たまたま持ってきたピンカーの「人間の本性を考える 心は空白の石板か」(NHKブックス 2004年)を読んでいる。 以前読んだ時に…

岡田 暁生「音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日」

本書の大部分は昨年の4月から5月にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてコンサートなどが次々に中止になっていった時期に書かれたということである。(最終章のみは6月後半) 著者はいわゆるクラシックの分野での評論に長年たずさわってきたかた…