岩波文庫の「水滸伝」(吉川幸次郎ら訳)を第1巻だけ買ってきた。そのまた三分の一を読んだだけだけれども、これは本当に浪花節の世界。単純思考のお兄さんたちが男を立てるために喧嘩に明け暮れする話。変な正義感がないだけ清々しい。
 今週の「週刊朝日」で縄田一男氏が北方「水滸伝」を論じている。べたぼめ。誉める人はみんな「熱き男たちのロマン」なんてことをいうんだよね。そしてすぐに読んで泣いたなんていう。涙腺が弱いのだろうか? こういう感傷過多は全共闘世代の最悪の部分なのではないだろうか?