考える人 2016年春号
- 作者: 鷲田清一,最果タヒ,志村ふくみ,津田大介,アリアナ・ハフィントン,伊勢?賢治,内藤礼,池上高志,鈴木健,森田真生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/04/04
- メディア: 雑誌
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季刊誌で、今号からリニュアルということである。表紙のデザインが変わって、写真からイラストになった。何だか随分と軽快な感じになっていて、てっきり判型が小さくなったのかと思ったが、較べてみたら、それは変わらず、ページ数が減っていた。約175ページ。以前のものは約300ページ。それで定価も1440円から980円に値下げ。
この雑誌はどのくらいの部数がでているのだろう? 「新潮」もあまり部数がでていないだろうと思うが、それよりも少ないくらいなのだろうか? 「新潮」も「考える人」もそこでの連載を後から単行本にする容器として企画されていて、雑誌自体がペイすることはもともと目指されてはいないのだろうが、雑誌のスリム化と定価の値下げも従来の値段では手がでにくいという読者の意見への対応らしい。出版不況もいよいよ深刻化しているということなのだろうか? こういう雑誌というのは、そこで言及されている単行本から一冊でも読んでみたいという本が見つかれば、読者としてはペイしたことになるのわけで、今号では向井万起男さんが奨めている渡部政隆さんの「ダーウィンの遺産」という本を読んでみたくなった。
出版不況というのは文学をふくめ広い意味での人文学の本が売れないという要素が大きいはずで、本号でも山本貴光氏と吉川浩満氏の「生き延びるための人文学」などという対談がある。そこでタイトルだけ紹介されている「啓蒙思想2.0」という本もちょっと面白いかもしれないなと思った。