東京の街並み

 最近わけあって散歩をする機会がふえている。それで近所を散策してみて感じたことを少し書いてみる。
 一言でいうとまことにつまらない街だなあということである。
 ヨーロッパにいっていつも驚くのが、街並みがとても整然としていることである。皆、似たような建物で屋根の色も一緒、全体としての街並みというものがある。最近、日本では同調圧力ということが言われているが、ヨーロッパでは家を建てるに際し、同調圧力のようなものが働くのだろうか?

 わたくしが住んでいるのは杉並だが、おそらく前に住んでいたひとの土地が2等分、3等分されて、そこにほぼ似ているが微妙に異なる家が二棟・三棟建てられている。完全に同じならまだある種の美ができるかもしれないが、微妙に自己主張しているので統一性は感じられない。壁は合板というのだろうか、木とか土は使われていない。おそらくそういうところに住んでいると自然への希求が生じるのであろう、花などが小さな庭に植えられている。

 ヨーロッパの街にみられる自分たちが住んでいる町を残しておきたいという意思のようなものが少しも感じられない何か殺伐とした街並みなのである。