藤田紘一郎さん

 藤田さんの「もしも、私が「がん」になったら。」(光文社新書 2021 4月)を読んでいたら、その藤田さんの訃報が報じられた。誤嚥性肺炎ということであった。誤嚥性肺炎は相当抵抗力・体力が落ちた高齢者の病気だから、「癌」とか何らかの基礎疾患がある場合が多いが、藤田さんはこの本を4月末を刊行しているのだから、最近までお元気だったはずで、ちょっとわからない。

 藤田さんについては、「今の人間は清潔を指向しすぎている。寄生虫を駆除なんかするからアトピーなどが起きる」ででといったことを主張していて、面白い人だな、と思っていた。
 こういうことをいうひとだから当然変わった人なはずで、医学の主流の見解などを述べることはないはずで、そういう藤田氏が「がん」についてどんなことをいっているのかなと思い、この「もしも、・・・」を買ってきた。
 当然、標準治療は受けない。早期がんでも手術がしないなど、医療の主流からはずれたことを書いている。
 おそらく、氏は自分は自分なりの健康法でやってきてそれはうまくいったので、最後はがんで死ぬのかなと思ってこの「もしも、・・・・」を書いたのであろう。しかし、どうもそうではなく、高齢者のありふれた疾患でなくなったようである。
 自分の考えた通りに生きるということはなかなか難しいようである。