今日入手した本

    倉橋氏の初期の作品はあまり読んでいないので買い求めた。解説を小池真理子氏が書いているのだが、(わたくしから見ると)倉橋氏のことをまったくわかっていないというか、根本的に誤解しているとしか思えない不思議なものであった。倉橋氏が「文学少女なんか大嫌い」と(わたくしから見ると)本気で言っているのに、それをどうも(文学的な)韜晦であると思っているようで、本物の文学を書く人間が「文学的」でないはずはないといった奇妙な断定をするのである。「文学的」などという言葉を倉橋氏は心底嫌悪したであろうに。

蛇・愛の陰画 (講談社文芸文庫)

蛇・愛の陰画 (講談社文芸文庫)

 

  • カール・せーガン「悪霊にさいなまれる世界」 早川書房 2009年7月

    以前、「カール・セーガン 科学と悪霊を語る」として出ていた本の文庫版。もう一度読み返してみようと思って。こういうタイトルだが、科学がとる見方についてのとてもすぐれた啓蒙書である。

悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)