今日入手した本

男おひとりさま道

男おひとりさま道

 
 上野氏は完全に介護・老後の専門家へと変貌したようである。フェミニズムの世界からうまく脱出しつつあるらしい。しかしやはり元フェミの人であると思わせるのは、(これから読むのであるが、とりあえずちらちらと見たところでは)本書が男の幸せな老後を願って書かれたものではなく、女の幸せを邪魔せずに男は勝手に死んでいけ、あるいは女の幸せに奉仕する老人になれ、ということがいいたいらしいことがあちこちでちらちらするからである。「おひとりさまの老後」の「あとがき」の「なに、男はどうすればいいか、ですって? そんなこと、知ったこっちゃない、せいぜい女に愛されるよう、かわいげのある男になることね」という路線はそのままであるようである。
 上野氏だって、自分の書いた本を読んで、男がかわいげのある性に変貌するとは思っていないだろう。上野氏がいっていることは、女がいないと男は不幸だけれど、女は男がいなくても不幸ではないよ、ということである。とすればやはりフェミニズムそのものかもしれない。それなら、男の側として、男がいないと女は不幸だけど、女がいなくても男は不幸ではないよ、といえるかである。会社人間はそう嘯いて生きてきたのである。だが、老後というのが会社という男社会がなくった後の時間なのであるとすると・・。しかし、なんでわたくしはこんな本を読んでいるのだろう?