今日入手した本

 

響きの科楽

響きの科楽

 
 偶然、書店でみつけた本。著者は作曲の修士号と物理学の博士号をもっているひとらしい。むこうにはこういう人が結構いるのだなあと思う。
 なかなか辛辣なところもある本のようである。「音楽を聴く」という最後のほうにある章に少し目を通したのだが、たとえば、CDとレコードの音の違いがわかるひとはほとんどいないのだそうである。喧々諤々、CDの音は冷たいとか、それについて一家言もっているひとばかりを集めて、目隠しでテストをしたところ、正解者が160人中4人だったのだそうである。だから平均的な聴き手にはそれを区別することは不可能だろう、と。また、MP3に圧縮するときに除かれる成分は、われわれには聴こえていないか、隠されている音であって、またまた平均的聴き手には、圧縮していないものとまったく区別できないだろう、と。最近わたくしは、ある本のそそのかしに乗って、リッピングするときに無圧縮にしているのだが、いたずらにファイルサイズが大きくなるだけで意味がないのだろうか? またまた、1000ドルくらいだせば、人間の耳にふさわしいオーディオを手に入れることができるという。オーディオファンから中古を買うのもいい、と。彼らは2〜3年ごとにオーディオを買い替える、と。3000ドルを超えるといえるのは音の違いがあるということだけで、いい悪いではないという。オーディオケーブルの1メートルに1500ドル以上かけることも可能だが、1メートル数ドルのケーブルとの違いを見分けられる人がいたら、ぜひお目にかかりたい、と。オーディオ雑誌などには、そういうことをいっている人がゴマンといるのだが・・。この本がオーディオ雑誌の書評欄に載ることは絶対にないであろう。