今日入手した雑誌

考える人 2012年 11月号 [雑誌]

考える人 2012年 11月号 [雑誌]

 第11回小林秀雄賞決定発表というのがあって、小澤征爾村上春樹の『小澤征爾さんと、音楽について話をする』が選ばれている。
 そこに選考委員の選評がでているのだが、橋本治の「この件で私は選考委員失格ですの弁」というのが面白い。曰く「私は西洋のクラシック音楽というものがさっぱり分かりません。分かろうとして分かれないものがあって、それはなんだろうと思っていましたが、この本の中で村上春樹さんの引いているシェーンベルクの言葉 ― 「音楽とは音ではなく、観念だ」というのに出会って、いきなり「あ、そうだ」と腑に落ちてしまいました。音を聴いていても「観念」だから、なんだかよく分からない ― その「観念」を具体化する能力がありません。・・「観念」が具体化された音を聴いても、私はさっぱり分からないのですから。」
 橋本治というひとは西洋の一部と全然波長が合わないひとだと思うのだが、その西洋の一部を代表するものがクラシック音楽なのである。西洋の一部というのがうまい言葉でいえないのだが、まあ「インテリの西洋」とでもいうか「偉そうな西洋」とでもいうか、何かそういったものである。
 しかし、ここでのシェーンベルクの言葉での音楽はドイツ音楽である。イタリアオペラなどには当てはまらないのではないだろうか? ミュージカルは好きな治さんである。ヴェルディとかプッチーニとかも駄目なのだろうか?