NHKの番組

 今日外来でみた患者さん約70人位(そのうちの高血圧は20人位?)のうち3人から昨日NHKでやっていた番組について質問をされた。高血圧についての番組らしく、血圧は上肢・下肢の左右4ケ箇所で測定しないと意味がないとか、上下の差が大きいひとは急死する可能性があるとかというような話がでていたらしい。何しろわたくしはその番組(「ためしてガッテン」)を見ていないので判断ができないところがあるのだが、少なくとも、3人が3人ともに不安を抱いて、今の血圧測定は意味がないのではないかとか自分が急死するのではないかいう感想を持ったようで、医療情報を啓蒙するというのではなく、いたずらに不安をもたせる方向にその番組が機能していたことは間違いがないように思う。
 わたくしはほとんどテレビを見ない人間で、「ためしてガッテン」もあまり見たことがないが、たまにみると非常に不愉快になる。男女の司会者も嫌い、クイズ形式ででてくる回答者も嫌い、というバイアスがかかっているので、偏見であることは重々承知しいてるが、いたずらに内容が大袈裟で扇情的、確定していないと思われる見解を断定的に述べたり、とっくにわかっていることを新発見のようにいったり、最後の方ででてくる専門家というのが偉そうで権威主義的と、とにかく嫌なところばかりである。
 いやなら見なければいいわけで、なるべくそうしているが、とにかくNHKというのは権威と思われているようで、そこでいわれたことはすべて正しいと思っているひとも多く、また大学教授というのも偉いと思っているひともまた多いようで、NHK+大学教授ということになる絶対の真理と思いこんでしまうひともまた多いようなのである。なんとかこの番組をなくさせることはできないものなのだろうか?