今日入手した本 F・フュレ「歴史の仕事場」 澤地久枝 半藤一利 戸高一成 「日本海軍はなぜ過ったか」
- 作者: フランソワ・フュレ,浜田道夫,木下誠
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2015/06/23
- メディア: 単行本
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こういう本に関心があるのは、自分の人生の(少なくともものごころついてからの)前半はマルクス主義の強い風圧のもとにあったと感じていたので、マルクス主義がいまだ過去のものになったとは思えないからなのだろうと思う。ソ連が崩壊したという事実をもって、それが過去のものとなったというような口吻のひとがいるのは理解できない。マルクス主義的なものに惹かれる心情というのがソ連の崩壊によって絶えたはずもないので、それは様々に現在においても続いているはずである。「幻想の過去」はなぜマルクス主義が(特に知識人にとって)魅力的であったのか論じている本であった。
本書もおそらくその系列の本であろうと思うが、「フランスの知識人」とか「18世紀フランス」とか「ギボンにみる文明と野蛮」とかなかなか魅力的なタイトルが並んでいる。
日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より (岩波現代文庫)
- 作者: 澤地久枝,半藤一利,戸高一成
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/07/16
- メディア: 文庫
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新聞などの報道の表面的なことから判断してはいけないとは思うが、最近の東芝についての報道をみると、それが事実であるならば、戦時中の日本とあまり変わっていない印象を持つ。組織の長といえば公人であると思うが、身内同士の争いが公的なことに優先するのであれば、第一の敵はアメリカではなく身内の陸軍であった日本海軍という事例から少しも学んでいない気がする。
また安全保障についての論議も、攻めるほうも守るほうも、ともに日本がした戦争について深く考えることをしないで、かたや「世界に冠たる日本」、こなた「憲法」を考えることの代わりとしているように思えて、とても危ういものに感じる。