今日入手した本
上野千鶴子「おひとりさまの最期」
- 作者: 上野千鶴子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2015/11/06
- メディア: 単行本
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「おひとりさまの老後」が8年前ということで、いよいよ氏も高齢となって(といってもわたくしより一歳下の年齢なのだが)、こういう本を書くことになったらしい。まだちらっと流し読みした程度だが、随分と円くなってきているなあという印象。「生まれることと死ぬことは、自分の意思を超えてい」ると書き、「どんな死に方もあり」であるという。尊厳死協会に異議ありといい、キュブラー=ロスの死を「揶揄するつもりはありません」といいながら揶揄している。「あのキュブラー=ロスだって、死ぬときにはじたばたするんだ」と書いているが、キュブラー=ロスは晩年、完全にあっちのひとというか、オカルトの方向の人、死後の世界などというひとになっていたのではないだろうか? 「あのキュブラー=ロスだって」ではなく、あのキュブラー=ロスだからそうなったのではないだろうか?
「看取りの現場を支える専門職の多くが、この死にゆくひとのスピリチュアル・ペインに応えければならない、と使命感を持っている」ことをふしぎに感じるといっているのは同感。そんなことにだれも応えられるはずはないので、できないことをできるような顔をするのは不遜である。
こちらがふしきに思うのは上野氏が「死んだらどこに行くのでしょう」という問いに応えるのは宗教家の仕事と思っているように思えることである(読み違いかもしれないが・・)。そんなことに応えられるひとは誰もいないのである(あるいは、人間が動物の一種であることを思えば、答えは自明なのであるが)。とすると人間もまた動物と思えるかどうかであって、広い意味での人文学の徒である上野氏はどうもその辺りの歯切れが悪いように感じられる。
とはいっても氏は、昔にくらべれば、「こうすればああなる」とは言えないことが多いことはみとめるようになってきているようである。
J・ダイアモンド「第3のチンパンジー」
若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来
- 作者: ジャレドダイアモンド,レベッカステフォフ,Jared Diamond,Rebecca Stefoff,秋山勝
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2015/12/12
- メディア: 単行本
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上野千鶴子さんなどは、ダイアモンドの本などはあまり読まないのだろうか?