赤坂真理「愛と暴力の戦後とその後」

 赤坂さんの名前は以前から知っていたのだが、何となく自分とは波長が合わない人だろうなと敬遠していた。今回はじめて読んでみて、予想していたのとはかなり違ったかたのように感じた。もっとエクセントリックなひとかと思っていた。まだ読みかけであるが、印象としては橋本治さんとちょっと似ているところのあるかたであるかと思った。世界に自分が感じる違和感がものを書くばねとなっているという点で。
 赤坂氏の場合はその違和感のよってきたることろは、高校くらいのときにアメリカで一年ぐらいの学生生活を送ったという体験らしい。わたくしより17歳くらい下のかたで、学生運動がさかんだった時代を同時代の体験としては記憶しないようである。
 学者でない人間の日本の近現代の考察である。
 日本におけるアメリカの影に徹底的にこだわっている。
 自分の頭(あるいは身体)で考えているひとだと思う。