今日入手した本

 わたくしの中国についての見方(偏見?)は、ごく限られた数の本からえた知見に依拠している。小室直樹氏の「中国原論」、岡田英弘氏の数冊の著作、それに高島俊男氏の「中国の大盗賊・完全版」などである。岡田氏の本のどこかにあった「中国には国家というものは存在しない」という話は、わたくしの一番基本的な補助線になっている。高島氏の「毛沢東は盗賊の親分であり、おそらくマルクスの本などほとんど読んだこともなく、毛沢東の著作とされているものも、部下のインテリが代筆して書いたものである(中国においてインテリに期待される役割は当代の権力の正当化と権威づけだけなのだそうである)というのも衝撃的であった。
 本書は3氏の共著となっているが、大澤・宮台の両氏が問題提起・疑問の提示の役割を担い、橋爪氏がそれに答えるという方向の本のようである。橋爪氏は小室直樹氏のお弟子さんであると思うので、ルートは小室路線なのかもしれないが、橋爪氏の夫人は中国のひとらしいから、生活レベルでの知識からしてわれわれとは全然桁が違うようである。
 現在われわれは民主主義的な政治形態を自明の歴史の帰結のように思っているので、いまの中国の状態を見て理解できない社会であるとし、自分たちの社会よりも遅れていると思うことが多い。しかし、まず実際の中国がどのようなものであるかを知ること、そのことがあまりにも日本人には不足している、まず知ることから始めなくてはいけない、それが橋爪氏の主張の根っこにあるもののようである。
 
小室直樹の中国原論

小室直樹の中国原論

中国文明の歴史 (講談社現代新書)

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皇帝たちの中国

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現代中国と日本

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この厄介な国、中国 (WAC BUNKO)

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中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)