入院中の読書

 急な入院で、本もパソコンも持ち込まなかったので、手許にはi-phone のみの状態だった。それで、本を読むのはキンドルに入れてあった数冊の本ということになった。
  もうどういう経緯であったか覚えていないが、何かの時に読むかもしれないと思っていれてあったらしい長い小説、中井英夫の「虚無への供物」 S・キングの「IT」のそれぞれ前半部分を読んでしまった。
 どちらも40年前くらいに一度は読んでいるが、もちろん細部はきれいにわすれている。どちらも広い意味でのミステリであるが、前者はアンチミステリ? 最後は読者よ、あなたが犯人だ!というとんでもないものであるし、後者は、若いときに仲間であった少年少女が中年になった姿が描かれ、ばらばらに生きてきた彼らが中年になって再び仲間となってITと戦う様が描かれる、もう老年になった人間には若いときに読んだのとはいささかことなる印象を与える。
 入院生活というある意味では暇な時間をやり過ごすには、長い小説を読むというというのは一つの手ではあるようである。ということでまた少しキンドルに入れておこうかと思うのだが、さてどんなものがいいだろう。
 デュマの「モンテ・クリスト伯」あるいは「三銃士」?
 まさかいくら長いといっても「失われた時をもとめて」をいれる気はしないし。