2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

A・メスーディ「文化進化論」

文化進化論:ダーウィン進化論は文化を説明できるか作者: アレックス・メスーディ,竹澤正哲,野中香方子出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2016/02/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る たまたま書店で目にした本。文化といったこと…

M・クンデラ「小説の技法」 日垣隆「脳梗塞日誌」

小説の技法 (岩波文庫)作者: ミラン・クンデラ,西永良成出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2016/05/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る このクンデラの本は、以前「小説の精神」として刊行されたものとほぼ同じものらしい。クンデラという…

山田風太郎「わが推理小説零年」 伊藤比呂美「ラニーニャ」

わが推理小説零年 (ちくま文庫)作者: 山田風太郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2016/05/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る 山田風太郎の公刊された5冊のエッセイ集には収録されなかったエッセイのなかからミステリ関係のエッセイを集…

(17)江戸っ子

鴎外と漱石では作風が非常に違っていて、例えば「坊っちゃん」の主人公のような愉快な人物は鴎外には書けなかった。漱石に出来て、鴎外に出来なかったことがあったのは当り前であるが、それにしても漱石の坊っちゃんは、この二人の作家に見られる性格的な違…

宮崎哲弥 呉智英 「知的唯仏論」

新潮文庫 平成27年12月 2012年に刊行された単行本の文庫化。 呉氏、宮崎氏、ともに何でも知っているひとで、いわゆる知識人である。本書のタイトルからして知識人そのもの。 呉氏は印象では何だか仙人みたいな欲望の枯れたとでもいうか、現世を超越…

(16)日本の小説

小説がつまらないのは、或は少くとも、小説という名前を附けて我々の前に出される大概のものがつまらないのは、これも書いている方で、自分は小説を書いているんだという高級な気持ちがあるからではないだろうか。 随筆集「甘酸っぱい味」の「日本の小説」の…