岡田英弘「この厄介な国、中国」

 [WAC 2001年11月22日初版 1997年10月クレスト社から刊行された「妻も敵なり」の改定加筆版]

 (民族国家としての、あるいは近代国家としての)中国という国家は存在しない.。なぜ中国では古代以降、思想らしい思想がでなかったのか?、中国語とはなにか?、漢字が中国で果たした意味など、ということについての驚くべき指摘にみちている。
 かつて小室直樹氏の「ソビエト帝国の崩壊」を読んだときも、面白いけれど、そんなことはあるものかと思ったが、本当にソビエトは崩壊してしまった。この本を読むと中国はきわめてあやうい基盤の上にたっているように思われる。中国もまた崩壊するのだろうか?
 高島俊男氏の「漢字と日本人」などとともに、日本の歴史における漢字の意味についても考えさせられる本である。



(2006年3月10日:ホームページhttp://members.jcom.home.ne.jp/j-miyaza/より移植)

  • 中国はまだ崩壊していない。日本などとは比較にならない、とんでもない格差社会のようであるが・・・。(060310付記)

この厄介な国、中国 (ワック文庫)

この厄介な国、中国 (ワック文庫)