Robert Arthur 「 The Three Investigotors 8 The Mystery of the Silver Spider 」

[Rondom House 1967]


 Silver Spider とは、ヨーロッパの極小君主国の象徴である小さな銀の飾り。この存否がその小国の運命を左右する。それをめぐる冒険物語。
 いくら子供むけの話でも、小さな飾りの有無が国の運命にかかわるなんて説得力に欠けるなあ、と思って読んでいたが、考えてみれば「三種の神器」はそういうものであったわけだ。この場合は「一種の神器」。
 ミステリとしては、ちょっと反則で、「機械仕掛けの神」がすべてを解決してしまう。今回は3人の少年探偵もあまり活躍しない。
 こういう話を読んでいると、ミステリのパターンのいかに多くがシャーロック・ホームズとポーに負っているかということがわかる。


2006年3月25日ホームページhttp://members.jcom.home.ne.jp/j-miyaza/より移植