Roald Dahl 「James and the Giant Peach」

 [Penguin 1961]


 英語の勉強で読んだダールの子供向けの本。ダールのものはこれ以外にも、数冊読んだが、今までのところではこれが一番本格的。
 ダールの本が面白いのは、偽善的なところがないところであろうか? 悪いものは悪い一方で、それが死んだらみんなが手をたたいて喜ぶなんていうのも、日本的などんなひとにもいいところがあるのですみたいなのよりもずっとすっきりしている。
 現実には悪いものが勝つのであっても、お話の中では魔法の力で悪いものが滅びてゆく。

 ところで、これは「ハリー・ポッター」の原点となっているのではないかとふと考えた。
 James Henry Trotter という主人公の名前と、Harry Potterという名前。両親にあるいは二人の叔母に虐待されてみじめな生活をしている少年が魔法の力で逆転するという構造。James and the Giant Peach という題名と Harry Potter and the Philosopher's Stone という題名のつけかた(主人公の名前と名詞を and で結ぶやりかた)等々。
 まあ。こういう構成はこの手の本の定番的なものなのかもしれないが・・・。