今日入手した本

 

電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。

電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。

 この本ははじめが書き下ろし、後半が「週刊現代」に連載されている「なんなんだこの空気は - メディア考現学」を編集したものということ。
 週刊現代の連載は時々読んでいて、著者がTBSテレビと喧嘩している記事などを楽しんでいた。読んでびっくりして記憶していたのは以下のようなところである。「私の憧れの編集者が、いけない本に佐々木俊尚電子書籍の衝撃』(ディスカバー携書』をあげ、《とにかくつまらなかった。この著者は、書く・考えるということをどう思っているのだろうか》と手厳しい。/ 恐れながら、申し上げたい。この著者は、そういう方なのです、ひたすらキーボードを連打しているだけで、本も賞味期限が短いだけなんです。許してやってください。」 
 佐々木氏の本は「2011年 新聞・テレビ消滅」を読んでいろいろと知らないことがあってそうなのかと思い、ここにも感想を書いたことがある。そのころは電子書籍というのに興味をもっていたのだが、熱しやすく冷めやすい人間で、ほとんど関心をなくしてしまった。少しまともな本を読んでみようと思って三浦俊彦氏の「論理学入門」をソニーのリーダーで読んでみようと思ったのである。2ページ目に「この本は横書きでレイアウトされています」とでるのだが、縦書きで表示される。だから論理記号が頻繁にでてくるのが見づらくて仕方がないし、ところどころに出てくる図表は縮小されていて、それを見るためには自分で拡大しなくはならない。とても読めたものではなかった。著書の内容自体はなかなかというかとんでもというか結構刺激的なもので、「人間原理」を論理学として考察するという破天荒なもので、結局、原著を買ってしまった。原著は横書きであった。つまり電子書籍といっても以前出た本のテキストをただ横から縦にしただけで、読ませる工夫、電子書籍として出すからにはというものが何もない。これでは売れないだろうと思う。それでわたくしの感じでは、読み捨てにする娯楽読み物のようなものが電子書籍の受け持ちで、腰をすえて読む本はまだ紙の本なのではないかと思う。
 日垣氏はいう。「本をきちんと自分で選んで読める人は、日本で総勢20万人くらいしかいないだろう。だから20万部をこえて売れるようなことがあるとロクなことはないし、逆に2万部を切るくらいなら電子書籍にする。」「「カラマーゾフの兄弟」を電子書籍で読破するひとなどいるだろうか?」「現在、電子書籍に適しているのは辞書類。」 いちいちもっともである。