今日入手した本
- 作者: 森於莵,池内紀[解説]
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2010/10/16
- メディア: 単行本
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「昨今の文芸作品には、魂の騒乱とその後に来る深山にたたえられた湖水にも似た沈思がない。あるのはちまたの喧噪そのものである。・・人はこれらを知るために文学書をひもとくのではない。これからのがれたいためにひもとくのである。これらの無為をながめたければ、よろしく現代の無能の象徴である東京タワーに昇るべきである。」 これが書かれたのが昭和35年。
「弱きものよ汝の名は男なり」という文では、「古来劣等感の持主はどぎもを抜く偉業をなし遂げるのである」として、男は女に劣っていると自覚しているからこそ、「その劣勢を挽回するために仕事に打ち込むのだ」とし、だから「男性から仕事を除いたとき、彼は首輪をはずされた犬のように惨めになる。彼のねうちは首輪にあったのだ」という。
食えないおじさんである。それがとぼけて書いている。鷗外の長男にして解剖学者。けっこう解剖を真面目に論じているところがあって読者を選ぶ本かもしれない。
- 作者: 池澤夏樹,鷲尾和彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/09/08
- メディア: 単行本
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「耄碌・・」の解説も、昨日の書評もともに池内紀氏。
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