今日入手した本

世界文明史の試み - 神話と舞踊

世界文明史の試み - 神話と舞踊

 なんだか凄いタイトルであるが、内容はポスト・モダン思想全否定、世界はモダンに収斂するというようなもののようである。

 近代の物理学や化学の発展は、それと緩やかに隣接する生物学や医学や薬学や農学を進歩させた。そしてこれら「生命の科学」はある意味で工業化を上回るほどに、世界の文明を統一することに貢献している。近年、医学界の一部に「土着医学(indigenous medicine)」を見なおす動きもあるが、そのこと自体が科学的医学の世界支配を逆説的に物語っている。

 わたしがぐだぐだ考えていることも、頭のいいひとがクリアに表現するとこうなってしまうのだと感心する。山崎氏の文体は色気に乏しいというか陰翳を欠くというか、今一つ魅力を書くような気が以前からしている。とはいっても浩瀚な話題を非常に広い視野から悠然と論じた本のようで、歯応えがありそうである。いずれゆっくりと読んでいきたい。とにかく広い範囲の本を渉猟していることに感心する。
 

詐欺師フェーリクス・クルルの告白〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

詐欺師フェーリクス・クルルの告白〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

 トマス・マンは苦手で「トニオ・クレーゲル」以外は「魔の山」も「ファウスト博士」も挫折している。これは比較的短いようなので読めるかなと買って来たのだが、読むかどうか。本当はドイツ語を勉強してドイツ語で読まねばいけないのであろうが・・。