今日入手した本
- 作者: 國分功一郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2011/01/21
- メディア: 単行本
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わたくしは根っからの哲学音痴なのだが、それでもスピノザという名前が気になるのは、一つにはダマシオという脳学者の書いた「感じる脳」という本でスピノザが言及されていたということがある。この著の原題は「Looking for Spinoza Joy,Sorrow, and the Feeling Brain」というものである。ダマシオの論はきわめて説得的であると思った。
もう一つは丹生谷貴志氏が「獣としての人間」という文で、吉田健一を論じて「ここにあらゆる観念や希望を嫌悪し、ただ「言葉」を本質的属性として纏ったスピノザ的な(?)「乞食」に身をやつした言葉を書く「獣」が現れるわけである」といってたということがある。スピノザというひとは吉田健一のような人なのかと思った。それで「エチカ」にちょっと手を出してみたのだが、見事に撃退された。とりつく島がないというか、何のとっかかりもなく、スピノザという人間が全然見えてこなかった。それでドゥルーズの「スピノザ」を読んでみた。丹生谷氏がドゥルーズ学者であるということもあった。吉田健一・丹生谷貴志・ドゥルーズ・スピノザという路線でかすかに吉田健一とスピノザがつながるるのではないかと思えた。丹生谷氏は広い意味でポストモダンの陣営のひとであると思う。吉田氏は反=ヨーロッパ19世紀すなわち反=近代の人である。吉田健一とポストモダン思想の関連というようなことに、それで関心があって、その鍵のひとつがスピノザなのかなという気がしていて、それでこの講義をきいてみようかと思った。この講義は「知性改善論」という本を読んでいくものらしいが、翻訳の入手はかなり困難であるらしく、もし予習をするのであればということで國分氏が指定していたのが本書である。結構高い本であるが、買ってみることにした。
- 作者: 國分功一郎
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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