今日入手した本

女子・結婚・男選び―あるいは“選ばれ男子” (ちくま新書)

女子・結婚・男選び―あるいは“選ばれ男子” (ちくま新書)

 小谷野敦氏のブログで紹介されていた。
 高田氏は素直な球を投げないどころか、一番の得意は牽制球というようなひとで、こういうことを男がやるとただもう嫌味なのであるが、女性の特権を利用してそれを切り抜けるのが芸ではある。だが、女性の特権を利用していることにも氏はなはだ自覚的で、その屈折がまた芸になっているというなかなかに複雑なひとである。だから男の単純を嗤うときに、その筆はおおいに冴えるのではあるが、実は男の魅力というのはその単純さ、あるいは馬鹿さ加減になかにあるのではないかという嫌疑もまたあるのであって、氏は自身の複雑さをもてあましているようなところもある。だから、本書は男性よ、もっと魅力的になってくれ!という悲鳴のようなところもある。
 こういうタイトルではあるが、ここでの女子とはインテリ女性なのである。インテリ女性というのは男女というようなものであるので、男から見るとはなはだ魅力に欠けるのであるが、しかし世にはインテリカップルとでも呼ぶべき存在もまれにはいて、本書はそういうインテリカップル研究とでもいうべきものとなっている。とするとどうしても自己言及的になってしまうので、本書での氏は(意外に?)純情である。それを隠すためか、本書は男性編集者との対話をあいだにはさむことでそれを相対化する仕掛けになっている。だが、ひょっとするとこの漫才的対話の部分も高田氏の創作なのではないかという嫌疑もなしとはしない。
 巻末にあげられている引用参考文献のほとんどすべてを読んでいないことにびっくりした。読んでいるのは庄司薫小倉千加子などほんの一部だけであった。見事に関心の領域が異なっている。男と女の違いなのであろうか?
 こういう本を読むとファミニストとはどういう反応をするのだろうかと思う。
 
妻と別れたい男たち (集英社新書)

妻と別れたい男たち (集英社新書)

 まあね。こういう本をフェミニストはなんというのかなあ。
 
 ということで、フェミニズムと関係あるようなないような本2冊。
 女は結婚したがり、男は別れたがる? 本当かな。