今日入手した本

病を癒す希望の力: 医療現場で見えてきた「希望」の驚くべき治癒力

病を癒す希望の力: 医療現場で見えてきた「希望」の驚くべき治癒力

 同じ著者の「医者は現場でどう考えるか」が面白かったので買ってきたのだが、このタイトルはもう少しなんとかならないのだろうかと思う。原題は「The Anatomy of Hope 」で、直訳すれば「希望の解剖学」、邦訳の題名だ何かとても感傷的な感じで、本書が即物的に希望を持つことがどの程度治療効果に影響するのかを論じているのとそぐわない気がする。
 ちょっとびっくりしたのが、著者があるひとから「希望の生物学を探究したいなら、プラシーボ効果について学ぶべきである」といわれ、プラシーボとはだましのようなものだと思い込んでいたので、びっくりしたと書いていたことである。患者のこころのあり方が治療効果にどう影響するかということを検討するのであれば、まずその取っ掛かりはプラセーボ効果というのは臨床に従事するものであれば誰でも考える基本中の基本ではないかと思うのだが、そうではないのだろうか? そもそもプラセーボ効果をだましのようなものと思っていて、日々の臨床ができるものなのだろうか?