今日入手した本
- 作者: Jerome Groopman MD,Pamela Hartzband MD,堀内志奈
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2013/04/05
- メディア: 単行本
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邦題を見ただけで内容がわかるような感じがしたのだが、40ページくらい読んだところではほぼ予想通りである。ちょっと血圧が高い、ちょっとコレステロールが高い、治療するかしないか? それをどうやって決めるのかという話である。先まで読んて見なければわかりないが、患者さんの個性であるとか人生観、人生経験などによって、同じ検査数字でも治療を受けなかったり受けたりするのだという方向の話のようである。確かにそうだと思うが、それなら医者の側の人生観や人生経験によっても治療をすすめたりしなかったりするだろうと思う。それに同じ医者だって若い時と年齢がいってからでは全然違った医療をしてるかもしれない。作家の帚木蓬生さん(精神科医でもある)がどこかで書いていたが、若いころ一番嫌いだったのが呪い師のようないんちきな医療まがいのことをしている輩だったのだそうで、許せないと思った、と。それが今では、呪い師ほどすぐれた精神科医がいるだろうかと思うようになった。西洋医療の方面の精神科医よりもよほど優秀と思うようになったのだという。
現在の日本だって、癌は治療せずに抛っておけ、いや、やはり癌は治療しなけばいけませんなどという次元の議論がおこなわれているわけである。これが一見、科学的根拠をめぐっての論であるような体裁であるので紛らわしいことになる。論者の人生観が先にあるに違いないのである。どのような人生が望ましいかが先にあって、そこからそれに合致するデータが後から集められる。しかし本ではデータだけが示されて、だから治療すべきとかするべきでないという議論になる。
本書の後のほうでは、延命をするかどうかといった問題についての議論もでてくるようである。
経済学者の栄光と敗北 ケインズからクルーグマンまで14人の物語 (朝日新書)
- 作者: 東谷暁
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/04/12
- メディア: 新書
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本書では、ケインズ、サミュエルソン、ガルブレイズ、ミンスキー、フリードマン、ベッカー、ボズナー、ルーカス、ハイエク、K・ポランニー、ドラッカー、クルーグマン、シラー、スティグリッツの14人がとりあげられている。ミンスキー、ボズナー、シラーは全然知らない。ルーカスは名前を知っているだけ。ケインズは主著は読んでいないが、何かは読んだことがある。個人的に関心があるのは、フリードマン、ハイエク、ポランニー、ドラッカーで、ベッカーは竹内靖雄さんのお師匠さんだと思うのだが、竹内さんは面白いが、ベッカーはつまらない。教養の差だと思う。ハイエクは渡部昇一さん経由、ポランニーは栗本慎一郎さん経由、ドラッカーもそうだったかもしれない。クルーグマンは山形浩生さん経由、スティグリッツは特に誰経由でもないけれど、何となく正義派みたいでいや。
個々には知っていても相互関係が今一理解できないので、それを少し把握できれば、と。
まだケインズのところを読んだだけだが、面白そう。