今日入手した本

醤油と薔薇の日々

醤油と薔薇の日々

 新聞の書評欄で紹介されていた。
 小倉氏の本は「結婚の条件」が面白く、鼎談「男流文学論」も面白かった。ファミニズム陣営では、上野千鶴子さんよりは小倉さんのほうが好きかもしれない(上野さんも嫌いではないけど)。尖った女性のフェミニズム上野千鶴子、尖れない女性のフェミニズム=小倉千鶴子。鼎談での小倉氏の発言。「真面目な主婦は私のまわりに集まり、不真面目な主婦は上野さんに魅かれる(笑)。」 「どこかのアパートで、寒いときにひとりきりで布団にくるまって寝ているというのは寂しすぎるわけですわ。横にだれかがいて、体温があって、寝息が聴こえて、歯ぎしりが聴こえてというのがいいんですよ。」
 この本を読んでいても小倉氏というのは寂しい人なのだと思う。上野氏は「鍵のかかる部屋」での一人を好むひとではあっても、寂しさには無縁な人なのだと思う。孤独でいても寂しくないという珍しいひとで、ゴロニャンできる社交的人間という日本人ばなれしたひとなのであろう。小倉氏はもっとずっと日本人である。
 考えてみれば、フェミニズムというのは、日本人であることをやめなさいと呼びかける運動でもあったのかもしれないわけで、そこの中での小倉氏の立ち位置は微妙なのかもしれない。