1950年頃に書かれた本。
決定論と自由意思などの問題も丁寧に論じられている。
オルテガとかカッシラーの論なども引用され、きちっとしたものである。「
量子力学は自由意思の問題とは何の関係もない。そのような問題が存在したとしても、物理学の最近の進歩によってわずかでも解決に向かうようなものではない。再びエルンスト・カッシラーの言葉を引用すれば、「因果性という物理的概念をどのように変えようとも、倫理にとって直接的な意味がないことは明らかだ」。」 こういう半世紀以上も前に書かれた本を読むのもいい。
これも1964年、丁度、半世紀前の本。だから生物学の歴史といっても「二重らせん」あたりまでであるが、「生命の起源」という部分もある。当然、当時であるからユーリー・ミラーの実験などが紹介されている。「しかし、待つことのみが必要であるとき、なぜ推測をするのであろうか。いかに大きく前進し、未知のことについての知識がいかに驚くほどさかんに得られようと、未来に残されているものはつねにさらに大きく、さらに興味深く、さらにすばらしいものであるということは、たぶん科学的研究の最も満足すべき点であろう。」 半世紀前は「科学」の世界は明るかったのだなあと思う。
これは5年前に書かれた本の文庫化。著者は「
理研」のひと。脳研究の現場の実に泥臭い現実が描かれている。そういうものなのだろうなあと思う。二匹のサルの間で序列が自然に出来る話とか、いろいろ。このサルの話は、今読んでいる
橘玲というひとの「バカが多いのには理由がある」にも出てくる。