今日入手した本

 

 わたくしはなぜ数多ある動物のなかでヒトだけが音楽を楽しむのかということに関心があるので、そうことを論じている本かと思って買ってきたのだが、どうもそういうことを論じている本ではないかもしれない。まだよく読んでいないが、音楽が人間にあたえる影響ということを論じた本なのかもしれない。
  なかなかのタイトルの本であるが、ディオバンの問題など日本に医療にあるさまざまな問題を論じ、それが日本の近代史と官僚支配の問題に多くが起因することを論じている。戊辰戦争で政府に反逆した地域が医師不足になっているという指摘などは、いわれてみて、そうなのかと思った。
 さまざまな既得権の擁護ということが問題解決のネックになっているというのはその通りなのだろうと思う。
 10〜20年後の日本の医療は惨憺たることになって、病院にかかるときにも何らかのコネの有無が決定的に大きな意味をもつだろうと上氏はいう。この数年に身内が何人か入院したりしたが、わたくしが医療にかかわっているということが対応の迅速さに大きな影響したことは間違いないと思う、今でさえそうなのだから、将来の医療ではさらにそれがはっきりしてくるのだろう。
 高齢少子化ということがいつもいわれるが、これは医療従事者にも当然おきることで、高齢化の進行とともに現役の医者の数もどんどん減っていくという上氏の指摘は、いわれてみれば確かにそうである。今現役の医者がいずれ確実に診る側から診られる側に移っていくわけである。
  加藤氏の若書き。加藤周一というひとは文明開化のひとなのだなあとつくづくと感じる。