今日入手した本

無名の人生 (文春新書)

無名の人生 (文春新書)

 ヴァレリイがなぜ書くのかと問われて「弱さから」と答えたという話がある。渡辺氏がこういう本を出すのも「弱さから」なのだと思う。しかしわれわれ凡人からすれば「弱さから」であろうとなかろうと、氏がこういう本を書いて(というか編集者の聞き書きというスタイル、というか「バカの壁」の壁の路線)くれたことは助かる。
 渡辺氏はわたくしよりかはなにがしか共同体よりのひとであると思うが、でもまぎれもない「個人」で、こういう人が共産党に入党したり、「左翼」であったというのが1930年生まれという時代なのだなあと思う。