今日入手した本 谷川俊太郎編「辻征夫詩集」

 

辻征夫詩集 (岩波文庫)

辻征夫詩集 (岩波文庫)

 確か新聞の読書欄にこの谷川俊太郎編 岩波文庫版の「辻征夫詩集」が紹介してあって、晩年の詩集「萌えいづる若葉に対峙して」が凄いということと晩年の辻氏が多くの病を抱えていたということが書いてあった。わたくしのもっている「辻征夫 詩集成」(書肆山田)は1996年の発行で「河口眺望」収載の詩までしか収めていない。この文庫版にはそれ以後の「俳諧辻詩集」と「萌えいづる若葉に対峙して」も収められている。
 わたくしには辻氏は「昼の月」とか「ラブホテルの構造」とか「春の海」などの詩の作者というイメージであったので(われわれにも 若くて どうしようもなく/ おっちょこちょいの時代はあり// それはつい先日まで続いた感じだが/ ようやく落着いた ― と思ったらさにあらず// 疲れただけだったんだ・・)、「俳諧辻詩集」とか「萌えいづる若葉に対峙して」に収められた詩はそれまでのものとは確かに印象が少し異なるように感じた。病のせいなのだろうか? 巻末に自筆年譜というのがあり、55歳で右眼網膜剥離、59歳で脊髄小脳変性症と診断とあり、最後に2000年1月14日、喀出障害により死去とある。喀出障害って何なのだろう? 自筆年譜に自分で死去と書く? 前年の12月までは旅行にいったりしているのだが・・。