G7

 現在、英国でG7(2021G7サミット)がおこなわれているのだそうである。
 参加国は、英米加独仏伊そして日本。菅首相はコロナ・ワクチン接種率が低いので肩身がせまい思いをしているのだそうである。
 なんで、日本でワクチン接種がこんなに遅れているのか? わたくしには少しも理解できないが、あるいは、端的に日本の国力が落ちてきているということなのではないかという気もする。

G7の参加国がどのようにして決められるのかは全く知らないが、もしも日本がその参加メンバーから外されるようなことがあると、日本は大変な混乱に陥るのではないかと思う。
 先進国の一つとして遇されているということが日本人のプライドを大きく支えているのではないかと思うので、その大きな根拠となっていたG7の加入国ではなくなると、その他のG7加入国への怨嗟の声が出てくるかもしれない。イタリアはまだ何で加入をゆるされているのだとか。

 江戸幕府が崩れて、日本が西洋を一から学ぶ方向に転じ、臥薪嘗胆、すでに体力の落ちていた清国に勝ち、本当は引き分けであったかもしれない日露戦争を勝ったことにして提灯行列などとしているうちに、日本は英米と比肩する一等国であると思うようになり、にもかかわらず、戦艦の建造を英米から制約されると、馬鹿にされたと憤慨して勝算のない戦争に突入していった。
 そして敗れて、やはり日本はまだまだだと謙虚に努力をしているうちに1960以降の高度成長で自信を回復。年功序列・企業内組合などの日本的経営がその基盤であるとして、世界の経営者よ、日本に経営法を学びに来い、などと奢っているうちに、1990年以降の停滞があり、いまだにそこから抜け出せないままで今に至っている。
 日本という国は自信がないときには良く、自身をもつようになると駄目になる。

 最近のIOCのバッハ会長の様々な発言が多くの日本人から日本を馬鹿にしていると大きな憤慨を呼んでいるが、事実馬鹿にされているのであり、最近の流行語をもじれば、上級国家がそうでない国を下にみているのである。欧米のなかにも当然、それを批判する人も多いが、そのかなりは「政治的に正しい」発言をしているだけなのではないかと思う。

 日本にオリンピックを招致するなどというのも、日本が一流国である認知されたいという希求からという部分が多分に大きいと思う。
 東洋の片隅の「まことに小さな国」が生きていくためには、胸をはってばかりではいられないことも多いのではないかと思う。