夕刊が午後三時にくるようになった

 わたくしがととっているのは朝日新聞だが、夕刊の配達時間が段々と早くなり、最近では午後三時ごろ配達されるようになった。
 当然その日の午前におきたことなどを記事にできる時間などはないはずで、もっぱらあらかじめ作成してあったようなものばかりである。
 1面は上2/3がコロナワクチン次世代型の開発状況。下三分の一は宣伝(シジミ成分 カラー)
 2面は「嵐」のライブ映画の話。下三分の一はズワイガニ紅鮭の広告(白黒)。
 3面は半分が若狭の観光案内。下半分が萩野公介選手の話。
 4面は全面「週刊株式」
 5面は上半分、最近亡くなった方の追悼記事。下半分がBS・CS ラジオ・FM・テレビ欄
 6面は連載漫画とジャーナリストへのインタビュー。映画紹介。合唱コンクールの話題。そこに三段ほどの「米FDA5~11歳へのファイザー製接種緊急使用許可」という記事があり、これが今日の夕刊での唯一の報道記事かも知れない。
 7面は上2/3が「スマホで投票できたら」という話。下1/3が広告。
 8面は上1/3がテレビ欄。下2/3が宣伝(軟骨成分)。

 合計すれば2面弱が広告である。
家庭ではテレビ欄のみが見られているのかもしれない。
 新聞社では本当は夕刊をやめたいのだが、広告をのせるためにやむなく紙面をつくっているのかもしれない。

 新聞というメディアは完全に断末魔の時期が来ているのかもしれない。

 朝日新聞は土曜朝刊の読書欄をみるためにとってるようなものだったが、最近はそこも本当につまらない。
 貧すれば鈍するで、読書に値する本を読める文章で薦められる、達意の文を書ける評者には依頼でききる資力さえなくなってきているのだろうか?

 昔の朝日の文芸時評欄には石川淳丸谷才一がまるまる一面を使って、まあ言いたいことにのびのびと筆をふるっていたこともあったように思うが、そういうものは夢のまた夢なのであろうか?