朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民 飢えて死ね 

 これは、敗戦の翌年、皇居前広場(当時は人民広場と呼ばれていたらしい)でおこなわれた食糧難を訴えるデモで掲げられたプラカードに書かれた文言らしい。餓死者が続出していた時代である。

 最近の小室氏あるいはその周囲へのバッシングには何かそれに似たものを感じる。おれたちは日々食べていくのにやっとなのに、あいつら仕事らしい仕事など何もしていないのに、国の金でのうのうと暮らしやがって許せないという感情である。

 敗戦後すぐに天皇制を廃止していれば、勿論こんなことはおきなかったわけだが、占領軍が日本統治のためにも天皇の存在を必要としていて、押し付けた憲法にも第一条に天皇条項があるのだから、そんなことはいうだけ無駄である。

 しかし今は、日本の統治において天皇制が必要とされることはないはずであるから(そもそも政治に介入することが禁じられている)、今後天皇制の存続の議論が出てくることは避けられないだろうと思う。(一部の保守のかたは、日本が日本であるためには天皇制の存在が必須であり、もし、それがなくなれば、日本は日本でなくなり、どこにもある唯の国の一つになってしまうと本気で思っているのであろうが・・)

 日本は戸籍制度のある世界で唯一つの国になってしまった。これも「個人」ではなく「家」が大事であるという考えが今だ残存しているからであろう。
 日本は今後、少子高齢化が急速に進行し(その原因の一つが「家」制度の存在であることは間違いないだろうが・・・)、衰退が進むことは必須である。

 そういう状況のなかで、本日の選挙に、今回の騒動が何らかの影響を与えるのだろうか?

 今日の朝日新聞の朝刊には、小室氏の記事がどこにも見当たらなかった(わたくしの読み落とし?)。一私人のことは記事にはしない? 何らかの忖度? うっかり記事にすると部数が減る? わたくしの見落としでなければとても変な感じである。