科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純

 偶然古書店で見つけて買ってきた。西尾成子「科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純」(2011 岩波書店)。
 石原純理論物理学者であるとともに歌人としても有名であり、また現在ではおそらく原阿佐緒という女性との恋愛事件で歴史に名を留めているのかも知れない。
どうもこれは石原さんのほうが積極的であったようであるが、それがスキャンダルとなり、東北大学を追われたらしい。
 わたくしの名前の「純」は父が石原純に因んでつけたものらしい。別に恋愛事件をおこせというようなことでなく、文系・理系のどちらにも偏らない幅の広い人間になってほしいということであったようである。
そのどちらにも中途半端なまま一生を終わることになりそうであるが、文科系のひとの書いた本を読むと「もう少し理科系の本も読めよ」と思い、理科系のひとの本を読むと「ちょっとは文学も読んだら」と思うことはずっと続いてきた。
 理科系と文科系の壁という問題はこれからも続いていくのであろう。Ⅽ・P・スノーの「二つの文化と科学革命」という本などもあまり大きな影響を与えることはできなかったらしい。しかしこのような問題提起は理科系からなされることが多く、文科系はあいかわらず孤塁に閉じこもったままのようである。