2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

井沢元彦「仏教・神道・儒教集中講義」

[徳間書店 2005年6月30日初版] 題名の通りの本であるが、仏教についてはほぼ知っていることであり、あまり新しく得るところはなかった。 それで神道。神道こそ日本のイデオロギーであるというのが著者の立場であるが、まず国家神道は神道の歴史のなか…

川渕孝一 「日本の医療が危ない」

[ちくま新書 2005年9月10日初版] まったくの個人的関心から読んだ本。著者は医療経済学の専門家。 日本の医療が、WHOから保険システムの達成度で世界一であると認定されていることはよく知られているが、著者によればそれはマクロでみたときの話で…

P・ベナー「看護論 新訳版 初心者から達人へ」

[医学書院 2005年9月15日初版] ベナー「看護論」の改訳版である。最初の翻訳は1992年にでている。今回改訳版がでたのは、原著の改定版がでたからではない。推定するに最初の翻訳があまりにひどいものであったので抛っておけなくなったのであろう…

村上春樹 「東京奇譚集」

[新潮社 2005年9月18日初版] 村上春樹の最新短編集。奇譚集であり、偶然の暗合とか、虫の知らせとかいった超自然的なことをあつかっている。純文学ではできすぎの偶然で話をすすめるのを大衆小説的ときらう傾向がある。柴田翔が「されどわれらが日々…

R・ダール「ぼくのつくった魔法のくすり」

[評論社 2005年4月30日初版] 最近、評論社から刊行されつつあるダールのシリーズは「チョコレート工場の秘密」「ガラスの大エレベーター」「こちらゆかいな窓ふき会社」と本書の4冊を読んだが、宮下嶺夫訳の本書が一番素直な翻訳である。前2著は柳…

保阪正康 「あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書」

[新潮新書 2005年7月20日初版] 著者は「はじめに」で「太平洋戦争そのものは日本の国策を追う限り不可避なものだった」という。そして最終章で、それはなぜかといえば「明治期以降の日本はいったん“ガス抜き”が必要であったから」なのだという。明治…

許光俊 「世界最高のクラシック」「生きていくためのクラシック 「世界最高のクラシック」第Ⅱ章」

[光文社新書 2002年10月20日初版] [光文社新書 2003年10月20日初版] 「オレのクラシック」が面白かったので読んでみた。 なんで著者がクラシック音楽を聴くのかというと、「生きているのが退屈で、つまらない」からなのだそうである。「その…