佐野洋子 「神も仏もありませぬ」

   [筑摩書房 2003年11月15日初版]


 絵本作家佐野洋子のエッセイ。しばらく前から群馬に住んでいるらしい。その生活記。
 ここにでてくる住民が魅力的。わたしは田舎が大嫌いであって、絶対に住みたくないと思っているのだが、本書を読んでいると、田舎暮らしにもいいところはあるのかなという気もする。
 老いをめぐるエッセイでもある。フネという猫の死、アライさんという夫婦の像。
 大した文章家である。一人で自分で立っている女性がここにいる。