今日入手した本
- 作者: J・M・ケインズ,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: 単行本
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訳者の山岡氏の解説によれば、スティグリッツやサミュエルソンの教科書をみても、デフレについてはほとんど何も書かれていていないらしい。ひどい話だが、近代経済学者たちはデフレなんてことはこれからはもうおきないとして、もっぱらインフレだけを心配していたということらしい。それで例外的にデフレについて論じている本書を訳そうとしたのだと、山岡氏はいう。
「経済思想の巨人たち」で竹内靖雄氏は、「人間は凡人から天才まで、おしなべてエピメテウス、つまりことが起こったあとではじめてわかる人にすぎないのである」といっている。もちろん天才のケインズにしても例外ではないわけで、本書にも収載されている「孫の世代の経済的可能性」(1930年)で100年後、つまり2030年までには経済的問題は解決されてしまっているだろうという予測をしている。もっとも大きな戦争がなければという条件つきなのではあるが。ケインズは第二次世界大戦も現在の経済状況も見通せなかったわけである。
しかし、この本はデフレ状態の現在読むと、まるで今書かれたもののように面白いらしい。