
- 作者: 養老孟司,池田清彦,吉岡忍
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2015/12/07
- メディア: 文庫
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養老さんが、本とは精神科の患者さんのようなものと言っている。精神科の患者もいいたいことを持っている。本の著者もまた同じ。何かいいたいことがあるから本になっている。しかし、そのいっていることから欠落しているものは何かと考えるほうが生産的であるという。その人の見方ではみえなくなっているものは何かと考えるのだと。たしかに患者さんの主張をただきいていたのでは精神科医は商売にならないわけで、こういうことを言っているというのは、ここがおかしいというようなことを考えながら外来をしているわけである。しかしとにかく聴くこと自体が治療効果があるとされているから、聴くことそのものが有意義なのだとしても、言語で表明されているものの裏を考えるということは精神科外来のいろはなのであろう。
「ネットには字数制限がない」ということも言っている。
昨日、井上章一さんの「京都ぎらい」を少し論じたが、養老さんがこんなことを書いている。利根川進氏がノーベル賞をとったとき、あるテレビ局から「また京大ですね」という電話がかかってきた。養老さん答えていわく、「東大は賞をだす側で、もらう方じゃない」。

- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/01/07
- メディア: 文庫
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