2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

半藤一利 「昭和史 1926→1945」

半藤氏が若い人を相手に語りおろした昭和史。というか太平洋戦争への道と太平洋戦争自体がテーマのほとんどであるから、軍・政治家・天皇を中心とした戦前戦中昭和史である。ということで満州における革新官僚などは話題にのぼらない。これはむしろ昭和戦後…

菊地哲郎 「常識の壁」

[中公新書ラクレ 2004年1月10日 初版] われわれ日本人が閉塞感にとらわれているのは、日本人がとらわれている常識のためであって、それをとりはらってみれば未来はばら色である・・・、ということなのだが、ほとんどただのおもいつきと屁理屈みたいな…

小倉昌男 「経営学」

[日経BP社 1999年10月4日初版] 小倉氏はいうまでもなくクロネコヤマトのヤマト運輸の元社長・会長である。運輸省の規制と闘ったひととしても有名である。高橋伸夫氏の本を読んでいて思い出して読み返してみた。 ヤマト運輸の経営の具体的なエピソー…

橋田信介 「イラクの中心で、バカとさけぶ」

[アスコム 2004年1月20日初版] このタイトルが何のパロディかは言うまでもない。そういうタイトルをつけるところにこの本の姿勢が実にはっきりとでている。 日本で数少ない戦争カメラマンによるイラク戦争の内部から(イラク側アメリカから攻撃をうけ…

高橋伸夫 「虚妄の成果主義 日本型年功制復活のススメ」

[日経BP社 2004年1月19日初版] 日本のサラリーマンが大好きという著者が書いた、目下大流行している能力主義・成果主義への反対論である。 著者の主張の根幹は、1)日本の人事システムの本質は、(給料によってではなく)次の仕事の内容で報いるシ…

D・ヒーリー「坑うつ薬の時代 うつ病治療薬の光と影」

[星和書店 2004年1月24日初版] 精神医学は医療のなかでもきわめて孤立した他から分離した地位をしめているように思う。それは一つには西洋医学のバックボーンである疾患の背景にある病理学的変化を探求しても、それがはっきりしないためであり、もう…

栃折久美子 「森有正先生のこと」

[筑摩書房 2003年9月25日初版] フランス文学者?哲学者?の森有正氏の本は『遥かなノートル・ダム』などが評判になった頃に何冊か読んだことがある。今から30年以上も前のことであると思う。ほとんどパリに住みついて思索を続けた人であった氏の本…

折原浩 「ヴェーバー学のすすめ」

[未来社 2003年11月25日初版] 昨年末、羽入辰郎氏の「マックス・ヴェーバーの犯罪」を読んで、ここまで完膚なきまでに批判されている「プロテスタンティズムの倫理・・・」について、ヴェーバー学者はどう答えるのだろうかと思っていたら、まさにそ…

佐野洋子 「神も仏もありませぬ」

[筑摩書房 2003年11月15日初版] 絵本作家佐野洋子のエッセイ。しばらく前から群馬に住んでいるらしい。その生活記。 ここにでてくる住民が魅力的。わたしは田舎が大嫌いであって、絶対に住みたくないと思っているのだが、本書を読んでいると、田舎暮…